毎日の仕事、家事、育児。
いつからか私は、何かに追われるように生きていた。
公務員として、母として、妻として
「ちゃんとやらなきゃ」
をずっと握りしめていた私。
だけど、そんな私に限界がやってきた。
「このままじゃ、私が壊れる」
そんな違和感が心の奥から溢れ出したある日、
私は初めて
“人生を変える”
という選択肢に目を向けることになった――。
毎日何かと戦っていた。公務員×ワンオペ母の現実

いつものように、子どもたちの声に迎えられて仕事から帰る。
そのまま座ったら最後、もう動けなくなる。
だから、私は無理やり自分を鼓舞して、
買い物袋をキッチンに置き、エプロンをつける。
「よし、今からが本番だ」
夕飯の支度をしながら、
頭の中では“タスク表”がぐるぐる回る。
食事の準備、洗濯物を取り込んで畳む、
長男の英語の宿題チェック、
長女の音読、次男のお風呂……。
「えっと、今夜旦那はご飯食べるんだっけ?」
お決まりのLINEを送る。
返ってくるのは毎回
「わからない」「なくて大丈夫」
の定型文。
夫は毎日、日付が変わるか変わらないかの時間にならないと
帰ってこれない仕事大好き人間。
忙しいのはわかってる。
だけど、この“読めない生活リズム”が、
私のイライラに油を注ぐ。

「ホウレンソウって知ってる?」
「会社なら、そんな直前に
会議中止とか言わないよね?」
「家族に対する誠意、なさすぎじゃない?」
気づけば、正論を武器に、
LINEで攻撃するようになっていた。
今思えば、完全にモラハラ妻。
でも当時は
「私ばっかり!私だって頑張ってるのに!」
という思いが、どうしても止められなかった。
当然、夫婦関係は悪化。
夫はますます仕事に精を出し、
帰りはますます遅くなり、
私は「また私が全部やらなきゃ」と、
育児も家事も、仕事も、ひとりで背負い続ける毎日。
キャリアの節目と育児のピークが重なった春

そんな時期だった。
職場では“女性活躍”が推進され、
「はなさん、来年度から役職つきで異動の打診をさせてください」
と声がかかる。
勤続18年。
それは、頑張ってきた証でもあり、
名誉なことのはずだった。
けれど、実際にはその春から、地獄のような日々が始まった。
新部署は繁忙部署。
小1の壁と呼ばれる、子どもが一気に手のかかるタイミングと、
キャリアの大きな節目が、見事に重なってしまったのだ。
「ちゃんとした母親でいたいのに」――自己嫌悪と罪悪感のループ
短時間勤務も使えず、子どもは15時過ぎには帰宅する。
でも私は、定時に帰れる空気ではない職場で、
ギリギリまで残業。
それでも19時半には慌てて職場を飛び出し、
電車を乗り継ぎ、慌てて足りない食材を買って
帰宅するのは20時半。
待っている子どもたちは、お腹を空かせてぐったり。
特に末っ子は、夕飯を口にする前に
眠ってしまうことも珍しくなかった。

当然、宿題はできていない。
連絡帳には、担任の先生から
「宿題が提出されていません」の文字。
それを見て、また自己嫌悪と罪悪感で押し潰されそうになる。
「私、ちゃんとした母親でいたいのに……」
心が壊れる前に気づいた“違和感”
仕事は溜まる。
だから私は、まだ暗い早朝の6時過ぎに職場へ行き、
誰もいない執務室で淡々と処理を進めた。
心を無にして働く朝。
そのときの私は、誰かの期待に応える“いい子”として、
ただ自分を殺していた。
電車に揺られながら、
なぜか涙が出る日が増えた。
「何をやってるんだろう、私……」

初めて自分に正直になった「やめたい」の声

私は、家族を大事にしたい。
子どもたちをちゃんと見てあげたい。
でも、現実の私は、それができていない。
心と行動がどんどん乖離していく感覚。
「自分の人生なのに、私、どこにもいない」
――そんな違和感を毎日抱えていた。
そんな中、ふと、心の奥から出てきた声があった。
「私、仕事やめたい……」
ずっと思ってはいけないと思っていたその選択肢が、
ある日、現実として“アリかもしれない”と思えてきたのだ。
子どもに見せたいのは、“我慢する母の背中”じゃない
ずっと
「公務員だから」
「定年まで安定してるから」
「子どもたちのために」
「家族の生活のために」
そう言い聞かせてきた。
でも、本当にそれでいいの?
誰の人生を生きてるの?
子供には自分の好きなことで
のびのび生きてほしいと願うのに、
今の私は
「自分の心に蓋をして我慢して生きる姿」
しか見せられていない。
決意の瞬間。「私は人生を変える」
このままじゃ、心が壊れる。
このままじゃ、私、母親でいることも、妻でいることも、
「私として生きること」さえもできないまま、
人生を過ごすことになる。
人生一度きりなのに?
そう気づいたとき――
やっと、私は「人生を変える」と腹をくくる決意ができた。
辞めることは怖かった。
本当に勇気が必要だった。
けれど、不思議とその時の私は、心のどこかでこう思っていた。
「きっと、これは運命からのサインだ」
「いよいよ、私の人生が変わる時がきたんだ」
涙が出るくらい、怖かったけど。
でも、それ以上に、自分に“希望”を感じた。
次回は…
「もう辞めたい…」
ついに心の限界を感じた私は、
勇気を出して夫に本音を打ち明けることに。
でも返ってきたのは、“反対”の言葉――。
なかなかスムーズには進みません。
次回、夫婦のすれ違いと、私の心の揺れを綴ります。
働くママこそ、
「本当に自分がやらなくてはならないもの?」
その視点がとても大事で、
やらないと決めることこそが
自分を大事にすることにつながりました。
私はよく利用していました^^
働くママこそ、「手放す」「頼る」が大事!家事代行を利用してみる!
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